受賞者インタビュー|石塚 大賀さん


今回、事務局は「第29回特別支援級部門賞」「第30回奨励賞 ぜんち共済賞」を受賞された石塚大賀さんの作品展にお邪魔し、お話を伺いました。

きっかけは、事務局に届いたお母さまからの一通のメール。そのメールには、受賞後の大賀さんのご活躍や、新たな夢に向かって歩み始めた様子がたくさん綴られていました。
ぜひお話を伺いたいと思い、秦野市のギャラリーで開催された作品展へお邪魔し、インタビューさせていただきました。

お話を聞いた人:受賞者 石塚大賀さん、大賀さんお母さま

第29回特別支援級部門賞
第30回ぜんち共済賞

死ぬまで描き続けたい

事務局:絵は毎日描いているの?
大賀さん:うん。学校で描いてる。
事務局:大賀さんにとって絵ってどんな存在なのかな?
大賀さん:すごく大切なもの。タフ。タフなガイコツ。サメ。

写真提供:ぜんち共済様

お母さま:こんな風に好きなことを並べて話すんですよ。絵は本当にしょっちゅう描いてます。ペンを持てるようになったくらいの小さな頃から、ずっと描き続けています。
普段の絵はサラサラっと描いていて、紙が部屋中に散らばってるぐらい、本当にすごい量を描くんです。夢絵コンテストで部門賞をいただいてからさらにもっとたくさん描くようになって。

大賀は発達の遅れがあって、言葉で伝えることがあまり得意ではないんです。でも描いた絵を見て、大賀の頭の中にあるストーリーを知って、親子の会話にもなります。絵が自分の表現方法になっているのかもしれませんね。

今では絵本作家になりたいという夢もできました。

事務局:大賀さん、絵本作家になりたいって思ったのはなんで?

大賀さん:死ぬまでやりたいから。

作品展に並んだ大賀さんの作品の前でピース

お母さま:絵本が大好きなんです。知的障害の言葉の発達には絵本がいいと言われていたので、小さい頃からずっと読み聞かせをしてきて。
幼稚園の時から中学生になった今でも、学校に行くときには必ず絵本を持っていくんです。授業でも先生方が絵本を教材のように活用しながら接してくださっていました。今では小学校で後輩に絵本の読み聞かせをするくらい成長したんですよ。

大賀には小学校2年生の頃から、大好きな絵本作家さんがいます。
本当にその方の作品が大好きで、自分でも絵を描いて、お手紙と一緒に送ったことがありました。そうしたら、お返事をいただいて、「すごく上手だし、ここまでコアなファンはいない!」と絵を褒めてくださったんです。今でもその作家さんは大賀のことを応援してくださっていて。
絵本作家になりたいっていうのは、その出会いが大きかったんじゃないかなって思います。

夢コンとの出会い

事務局:夢コンへ応募しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

お母さま:夏休みの宿題になると、どうしてもパニックになってしまうことが多かったんですよね。嫌だって言って宿題をどこかに隠しちゃったり、泣いちゃったり。こんなだと楽しい夏休みじゃなくなってしまうと思って、先生に相談したんです。先生から「大賀くんは絵を描くのが好きだから、夏休みのコンクールの中から1つ選んで、絵を宿題にしようか」と提案していただき絵を描くことになりました。

4年生までは他のポスターコンクールに応募して受賞もしていましたが、今年は違うコンテスト挑戦してみようよって話になったんです。

夢絵コンテストを見た時に、すごく自由な感じでいいなと思ったんです。「自由に発想して描けるところが、大賀に合っているんじゃない?」って思って、5年生の時に初めて応募しました。

初の応募で特別支援級 部門賞を受賞した作品

夢コンの受賞から広がった世界

事務局:大賀さんは夢コンで受賞した時はどんな気持ちになった?
大賀さん:飛んで喜ぶ。

写真提供:ぜんち共済様

お母さま:入賞した時、私もすごく嬉しかったです。
主人や祖父母、友達にも「またコンテストで受賞したよ!」って、すぐに報告しました。本当に嬉しかったです。
でも、もしも受賞しなかったとしても、その時はその時。受賞しなくても、大賀の絵を描くことが終わるわけじゃないので。

それに、夢絵コンテストって作品を返してくださいますよね。他のコンテストって、作品が戻ってこないことが多いんです。でも夢絵コンテストは返してくださる。受賞したあの絵だけは絶対に手放したくないって思っています。
あの絵をきっかけに、いろんなことが始まったような感じなんです。
だから、これはもう一生宝物にしていきます。

事務局:受賞された作品が様々なところで活躍されていますね。

お母さま:初めに夢コンの受賞をしたときに、学校の先生が支援級の自立の授業としてTシャツを作りませんか?と声をかけてくださったのがきっかけになって、自分の作品をグッズ化したいという気持ちが大賀から出てきました。
今はそのために、大賀の作品を知ってもらおうとInstagramで作品を公開しています。
そのInstagramを見た障がい者のアート活動を支援されているアートdeラボさんに声をかけてもらえて、今回の展示会への参加や、長野にあるホテルでの展示もしていただけることになりました。

幸せを運んできてくれる子

お母さま:私たち親は、本当に恵まれてるなっていつも思うんです。
障害のことって、なかなか向き合うのが大変な親御さんも多いと思うんですけど、私たちは一度も「つらいな」「大変だな」って思ったことがなくて。
先生方がたくさん助けてくださったのと、知識がある保育士の友達も多くアドバイスをもらったり、助けてもらったりして。とても楽しく育児ができているんです。

でも、奇跡を起こしているのは、やっぱり大賀なんだなって思うんです。この子がいると、いろんな人とのご縁が生まれる。
だから、この子が幸せを運んできてくれているんだなって、私は思っています。

第30回ぜんち共済賞として選んでいただいたみなさんと

事務局:大賀さんの周りには、ご両親や先生、お友達など大賀さんの歩みを支えるたくさんのサポーターがいるんですね。みなさんの温かな応援に支えられながら、大好きな絵を楽しみながら描き続けてこられたのだと感じました。

大賀さん、お母さま、本日は貴重なお話をありがとうございました。

大賀さんの活動紹介

作品や活動の様子はInstagramで発信しています。SUZURIでは大賀さんの作品をオリジナルグッズにして販売されています。

また、ぜんち共済様のnoteでは、大賀さんのアーティストとしての歩みや作品への想いを取材した記事もご紹介いただいています。

ぜひ、あわせてご覧ください。