夢絵のうまれた場所へ 3:キッズ アート・アップ!元妹智穂先生・古沢葉子先生


2015年度に開催された「夢絵コンテスト」にて、入選されたお子さんの通うアトリエの先生方にお話を伺ってきました。

お話を聞いた人:
キッズ アート・アップ!主宰 元妹 智穂 先生・古沢 葉子 先生
(インタビュー・文:杉山夏紀/情報科学専門学校1年)

夢絵コンテストでの受賞をきっかけに…

―生徒さんが受賞した時の様子はどうでしたか?

元妹先生:思いっきり喜ぶ様子ではなかったけれど、照れつつも嬉しそうでした。彼はとっても想像力の豊かなお子さんで、アトリエに来る時にときどきレゴやワイヤーで作った“小さなお友達”を連れて来るんです。だから受賞作品にも小人が登場しているでしょう。絵画はちょっと苦手で工作の方が好きな、幼さが残るお子さんだけど、今回受賞したたことで自信をつけたかと思います。
私たちから見ても、保護者の方から見ても、彼自身の成長を感じ取れた気がします。

新たな発見

―生徒さんたちに指導をしていて、大変だったことはありますか?

古沢先生:子どもたちが楽しく制作出来るように気持ちを乗せることですかね。私たちの役割はワクワクドキドキしながら子どもたちが作品づくりに取り組めるようにサポートすることだと思っています。その方法の一つとして食材を用いて食べられる作品を作ったり、新しい素材を使って未知なる経験をさせたりとか。そういった色々な体験の積み重ねを大切にしています。

元妹先生:観たものを上手に描く手先の技術だけを教えるのではなく、自由に心を開き、気持ちを込めて作品づくりをするように声掛けしています。子どもたちが持つ想像力を社会に活かしていくお手伝いが出来ればと思っています。

子どもたちを指導するのは大変ですが、嬉しいことが沢山あります。「こんなコトを考えて作ったんだ!」とか、「こんなふうに表現できるんだ!」とか、子どもたちからの刺激や成長が本当に嬉しくて、それがやりがいです。

―生徒さんたちは公募展に出品することをどう思っていますか?

元妹先生:毎年一度は公募展に応募させて頂きますが、その時には「沢山の人が観てくれるんだから自分が何を伝えたいのか、よく考えて描こうね。」と声掛けします。すると、気が引き締まった顔つきになり張り切って描き始めます。きっと挑戦する気分になっているのではないでしょうか。結果、入選すれば一生の思い出と自信に繋がるし、そうでなくてもそこにかけた時間はとても有意義なものになりますよね。

―子どもの絵と大人の絵の違いみたいなものはありますか?

古沢先生:経験値の違いは表現力に出るかもしれませんね。でも豊かな想像力というのは、大人も子どももその人の過ごした環境によって決まるのではないかと思っています。ですから私たちのアトリエでは、五感を使った創作や遊びを子どもたちに経験させていきたいと考えています。

子どもたちへ贈るメッセージ

―生徒さんたちに何かメッセージはありますか?

元妹先生:失敗を恐れないでほしいです。やる前から考え過ぎず、やってみて違うと思ったら何度でも納得いくまでやり直せばいい。失敗した経験も自分を豊かにすると思うから。

古沢先生:友達を大切にしてほしいですね。友達から得られるものは沢山あると思うから。それと大人になっても常に目標を持って取り組める人になってほしいです。

 

インタビューを終えて
杉山夏紀/情報科学専門学校1年(写真 右)

キッズ アート・アップ!元妹 智穂先生(中央左)・古沢 葉子先生(中央右)・杉山夏紀(右)・小川慎吾(左)

今回の取材活動で、貴重な経験を沢山させていただきました。まず、取材申し込みの電話をしたこと。緊張で声が震えてしまったことは記憶に新しいです。取材当日では、元妹先生と古沢先生のお話を聞き、今後の目標や今の自分を見つめ直すことができました。今回の経験を踏まえ、これからも日々精進していきたいと思います。

取材サポート:小川慎吾/情報科学専門学校1年(写真左)
写真:高垣香里/NPOこどもネットミュージアム事務局